中国式「失われた10年」、その苦痛は日本以上になる―米シンクタンク

Record China    2010年9月4日(土) 17時19分

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8月31日、米シンクタンクは、中国も間もなく日本と同じように「失われた10年」に突入するが、その苦痛は日本以上になると論じた記事を公式ウェブサイトに掲載した。写真は福建省福州市内の不動産の看板広告。

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2010年8月31日、米ハドソン研究所は公式ウェブサイトに、中国も間もなく日本と同じように「失われた10年」に突入するが、その苦痛は日本以上になると論じた記事「中国が日本のようだったら良かった」を掲載した。2日付で新華網が伝えた。以下はその概略。

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中国が日本を抜いて世界第2位の経済大国となったことを受け、米中の経済専門家がこぞって「中国は間もなく自らの『失われた10年』に苦しむことになる」との予測を示している。日中両国の成長モデルは非常に似ており、今の日本の姿が未来の中国の姿だと見る向きは多い。だが、経済衰退が緩やかで政府も国民もそれほど大きな痛手を感じなかった日本と違い、中国共産党と中国国民が受ける苦痛は日本以上になると考えられる。

輸出と固定資産投資に過度に頼る日本の成長モデルに対し、危険性を指摘する声は以前から聞かれていた。だが、日本には持続可能な成長モデルに切り替えるための有利な条件が揃っていると考えられてきた。例えば、執政党が頻繁に変わる西側諸国は長期的な展望に欠けるが、日本は自民党の一党支配(55年〜09年)が長く続いた。加えて日本人は聡明で責任感が強く、勤勉だ。

一方、今や「中国の特色ある資本主義」と揶揄される中国モデルだが、独自の道を歩みながらも日本との共通点が多々見られる。だが、大きく異なる点は日本経済が低迷を迎えたころ、日本はすでに安定した法治国家だったということだ。官僚主導型と言われながらも、大多数の日本人は食うに困らない生活を送り、年をとればそれなりの財産も得られる。

それに比べ、中国はいまだに法律や知的財産権などの制度が整っておらず、富の分配がうまく出来ていない。国有企業の生産高は全体の4分の1から3分の1を占めるにとどまっているが、懐に入ってくるカネは全国の75%以上だ。中国では富のほとんどが国有企業12万社(および数え切れないほどの子会社)に流れていく。その中から驚くほどの金持ちが生まれるが、ほとんどの人は豊かになる機会を奪われている。

国民の大多数が経済成長の恩恵を受けられないでいる。この事実は社会の安定を揺るがし、最終的には政治の安定をも脅かすだろう。現在、中国政府が国内の治安維持につぎ込む費用は人民解放軍の予算よりも多い。中国共産党は自らの執政の地位を維持するために8%の経済成長が不可欠だと自覚している。だが、大多数の中国人は年をとっても永遠に豊かにはなれない。

中国が日本のようだったら、まだ良かったのかも知れない。経済低迷が続いても政権交代という道があるからだ。中国に日本と同じことが起きれば、日本のように順調にはいかないだろう。(翻訳・編集/NN)

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