<中華経済>続く貿易黒字の減少、中国経済に浮かび上がる中長期的なリスクとはーCIGS瀬口・研究主幹

Record China    2010年5月19日(水) 23時33分

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2010年5月、4月の中国の貿易収支は小幅ながら黒字転換したが、キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)の瀬口清之・研究主幹は3月に公表した「中国の貿易黒字減少の要因と今後の展望」レポートの中で、貿易黒字の減少傾向に潜む中長期的なリスクについて分析している。

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2010年5月、4月の中国の貿易収支は3月の赤字から小幅ながら黒字転換したが、キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)の瀬口清之・研究主幹は先に、「中国の貿易黒字減少の要因と今後の展望」と題した報告の中で、今年も黒字の減少傾向が続くことは多くのエコノミストの一 致した見方だが、「中国政府内部のマクロ経済政策関係者は、ここ数年の外貨準備の急増や欧米諸国からの人民元切上げ圧力の高まりを考慮すれば、足許の貿易黒字の減少は歓迎すべき変化と受け止めている」と貿易統計の動向に関する中長期的な分析を明らかにしていた。これは3月の赤字公表前に書かれたものだが、「現在の貿易黒字の大きさや2.4兆ドル(昨年末)という外貨準備の積み上がりを考慮すれば、その見方は理解できる」と分析している。

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同レポートは、黒字が維持できなくなり赤字に転じる場合、さらには貿易赤字が数年にわたって続く場合には、内需拡大の抑制を余儀なくされるなど中国のマクロ経済政策の自由度が制約される可能性が出てくる「中長期的なリスク」が浮かび上がると指摘した。

「中国が将来における貿易赤字への転落リスクを回避するには中長期的な観点に立った政策が必要」として、今後も引続き積極的な外資導入により、高い技術力をもつ外資系企業と国内企業の協力を原動力とする経済発展を目指すことが望ましいと提言。優良な外資系企業の安定的な中国進出を促進し続けるには良好な投資環境の維持が必要であるとして、内需拡大策による国内市場の拡大と同時に知的財産権の保護、資金決済の円滑化、ルールに基づく商取引の信頼性向上といった「市場インフラの整備」を図ることも重要だとしている。(文章:三木)

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