「ヴィトン提げてバスに乗る」ぜいたく品消費世界2位の中国、庶民の生活感覚に警鐘も―中国メディア

Record China    2010年4月1日(木) 20時33分

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3月30日、中国における奢侈品の購買額は94億ドルを超え、世界2位となった。一方で、社会問題への影響も見られる。写真は北京市のブランド品買い取り店。前シーズンの製品を処分しに、OLが続々と来店する。

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2010年3月30日、中国青年報によると、中国における奢侈品の消費が急増している。中国・香港に本部を置くWorld Luxury Association(WLA/世界奢侈品協会)の最新年度報告によると、その購買額は94億ドルを超え、世界総額の27.5%を占める。これはアメリカを抜き、日本に次ぐ世界2位の額。しかし一方で、社会問題への影響も指摘されている。

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中国青年報社会調査センターはこのほど国内大手ポータルサイトを通じて、2646人を対象に奢侈品に関する調査を実施。これによると89.9%の人が「身近に奢侈品を持っている人がいる」と答えた。さらに12.1%の人が「奢侈品が好きであり、購入する」と答え、58.9%が「好きだが高くて買えない」と答えた。

奢侈品とは一般に「非生活必需品」。その購入動機については68.2%が「自己満足のため」、67.8%が「社会的地位を表現するため」、21.1%が「美と個性の追求」、18.0%「財産の一部として」と答えた。香港のある大学院生は「みんなが持っているから自分も買う」という心理があると分析し、「香港ではOLやサラリーマンがルイ・ヴィトンのバッグを提げてバスに乗る」と語る。また、71.3%が「奢侈品の購入は非理性的な行為であり、誇示や見栄のためだ」と回答した。

深セン大学の易松国(イー・ソングオ)教授は「中国の消費者は購買意欲が旺盛で、特に若者の消費観は欧米の先進国と変わらない」と語る。また華中科技大学の陳志霞(チェン・ジーシア)教授は「国内の消費規模は常軌を逸している。大部分の人の経済力は奢侈品を購入できるレベルではないはずで、これは経済格差の表れではないか」と語る。「他人の目を気にして外面的なものに価値を見出し、富裕層への憧れから奢侈品を購入するのは自分自身を苦しめることになる。また、奢侈品が贈答の対象となり、汚職などの腐敗にもつながる」と警鐘を鳴らす。

ある男性は妻との買い物中、全身をブランド品で包んだ女性に遭遇した。妻が「私たちの世代では(あのようなぜいたくは)もう無理。でも、子どもたちには身につけてほしい」と語るのを聞き、申し訳なさを覚え、落後感を感じたという。調査では、62.8%の人が「奢侈品の流行は人々の対抗意識を強める」と答え、47.3%が「庶民の幸福感を奪う」と答えた。「生活必需品以外の過剰な消費は経済的にも社会的にも危険だ」と中国人民大学の王水雄(ワン・シュイシオン)准教授は語る。(翻訳・編集/小坂)

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