<ネット中毒>病む少年たちは金の生る木!?更生施設が一大産業に―中国

Record China    2009年8月26日(水) 6時16分

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24日、中国でも社会問題化する青少年のネット中毒だが、治療を謳う更生施設は国内に300か所以上あると言われている。しかし、保護者らの焦りにつけこんで暴利をむさぼる業者も少なくないという。写真は臨[シ斤]第四人民医院ネット中毒更生センター。

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2009年8月24日、中国でも社会問題化している青少年のインターネット中毒。ネットの世界に夢中になる青少年たちは全国で1300万人、さらにこれを治療すると謳っている更生施設は国内に300か所以上あると言われている。市場規模にして10数億元のビジネスとなっているこの更生サービスだが、わが子を心配する保護者らの焦りにつけこんで暴利をむさぼる業者も少なくないという。中国国営TV・中央電視台(CCTV)の 経済番組「経済半小時」公式ウェブサイトの報道。

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近年生まれたばかりの新興ビジネスだけに、管理・規制する体制が整っていない現状下、わが子に手がつけられなくなった保護者たちが藁にもすがる思いで施設の門を叩く。しかし多くの施設では頭部に過度のショックを与える電極治療や、みだりな薬物の投与、果ては体罰にも似た過酷な身体トレーニングや虐待・暴力までが横行しており、入所児童が死亡した、あるいは施設から逃げ出した、自殺を図ったなどのニュースがたびたび聞かれている。これらを受けて中国衛生部では今年7月中旬、ネット中毒に対する電極治療を禁止する旨を発表した。

しかし、山東省にある臨[シ斤]第四人民医院ネット中毒更生センターの楊永信(ヤン・ヨンシン)氏は「(電気ショックによる)大きな苦痛経験こそが効果的な治療法」と公言する。同センターが採用するのは精神疾病治療に使用する機器で、老人や児童、心肺機能や肝腎機能に問題を抱える人には使ってはいけないというほど強烈なショックを与えるものだ。その苦しさは、入所していた児童が「死んだほうがまし」と語っているほどで、後にこの児童は退院を試みるもかたくなに病院に拒否され、保護者が「残りの治療代」としてお金を支払うことでやっと“解放”に至っている。なお、同センターの治療費は1か月6000元(約8万3000円)。これに入所期間内の生活費は含まれない。

華中師範大学素質教育専門家の陶宏開(タオ・ホンカイ)氏は、「こうした施設は子どもに2次被害を与えるだけ。社会的悲劇だ。一刻も早く管理体制を敷き、混乱した治療現場を立て直さなければ」と警告を発している。また、中国青少年インターネット協会の●向宏(ハオ・シアンホン/●=「赤」におおざと)秘書長も「一定の技量を持たない施設が効果の定かでない治療を行うことが悲劇の根源。子供たちをネット中毒から救うには、こうした更生施設に頼ってばかりではいけない。社会全体のサポートが必要だ」とし、関連法規の早期成立と施行、また保護者らの意識向上を求めている。(翻訳・編集/愛玉)

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