厳しい夏が本格的に到来しようとしている。酷暑を逃れ、涼しい避暑地に逃避したい気分にもなりそうだが、東西南北に広大な国土を持つ中国の人々にとっては、その選択肢は山のようにある。今特集ではそんな中国の名だたる避暑地の中でもBEST10に数えられるものを紹介する。第6回は新疆ウイグル自治区の天池。中国ネットの編集。

【その他の写真】

土地の多くを灼熱の砂漠に囲まれた新疆ウイグル自治区にあって、清らかな水とさわやかな涼風に恵まれた極楽のような避暑地がある。それが天山山脈東部の中腹に位置する天池だ。かつては外界から閉ざされた秘境だったが、中華人民共和国成立後にようやく道路が開通し、多くの人がその絶景を愛でることができるようになった。

標高1980mの地で南北に3km、東西に最大1．5kmの雄大な湖がなみなみと清水をたたえる。200万年前の氷河が形成した湖は万年雪のボゴダ峰(標高5287m)を臨み、周辺には遊牧民・カザフ族の集落が点在する。一面、青々とした草の海に羊の群れが遊ぶその牧歌的な風景は、国家A級の名勝区にも指定されている。

郭沫若など多くの文人が愛したこの湖は「天山貴明珠(天山の尊き真珠)」とも形容され、伝説では西王母(古代中国より信仰されている天女の長)が沐浴したとも言われている。(翻訳・編集/愛玉)