<レコチャ広場>少子化対策の日本と一人っ子政策の中国は相互協力が可能か

Record China    2009年7月13日(月) 2時44分

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11日、レコードチャイナ・ライターによる個人ブログ「全人類の中国分析2」は、少子化対策を行う日本と一人っ子政策を実施する中国の相互協力を提言した。写真は南京市の家族。

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2009年7月11日、レコードチャイナ・ライターによる個人ブログ「全人類の中国分析2」は、少子化対策を行う日本と一人っ子政策を実施する中国の相互協力を提言した。

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以下は同ブログより。

小渕優子少子化大臣主宰「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム」が先月、少子化対策についての「10の提言」をまとめ、「包括的な」少子化対策を提案した。それには「恋愛・結婚」「就労・経済的自立への支援」なども含まれており、少子化を食い止めるには、これまでのような出産後の対策だけでは限界があるということを示した形になった。これらの提言は決して目新しくはないが、これまで少子高齢化対策については対処療法に終始し、選挙の票に結びつかない長期的政策はなおざりにされてきたことを考えると、大きな前進だと思う。

厚労省のデータによると、日本の老年人口(65歳以上)と子供人口(15歳未満)はすでに97年に逆転、このままいけば2020年には老年者が全人口の4分の1を占めるまでなる、と予測されている。日本が将来にわたってハード・ソフト両面での国力を維持するためには、生産年齢人口(15歳〜64歳)の急激な減少は、何としてでも避けなければならない。

国家としての中国は、日本の少子化対策の正反対の道をひたすら進んでいる。増え続ける人口は、食料問題、雇用問題、ひいては経済発展の維持と社会の安定にとって、大きな脅威となることに中国は早くから気づいていた。そこで79年に、それがもたらすであろう弊害をすべて引き受ける覚悟で、いわゆる「一人っ子政策」を発動することになった。しかしその「弊害」の現実は想像以上に厳しい。ロサンゼルス・タイムズは、2030年には、60歳以上の高齢者人口が全人口の40%に達すると予測している。

中国人は一人っ子政策が諸外国からどう見られているか気にしているようで、私も中国滞在時、彼らから一人っ子政策についてどう思うかと何度問われたかわからない。「日本にも一人っ子政策があるか?」という社交辞令にも似た質問も多いのだが、私は「日本は逆に出産を奨励している」と応じながら、無意識に中国に対して優越感を抱いていたことにある日気づいた。「日本は中国のように、政府の強権によって出産を制限する国ではない、もっと『民主的な』国だ」と。本当に日本のほうが優れているのか。そしてこの優越感に何の意味があるのか。私はこの時、自分がいかにこの問題に無関心で、これを表面的にしか見ていなかったかに気づき、愕然としたのである。

日本における人工妊娠中絶数は年々増加している。皮肉なことに、中絶増加の一方で、2003年の厚労省の発表によると、子どもを持ちたいにもかかわらず子どもに恵まれない夫婦は10組に1組にも上り、多くの夫婦が不妊に悩み、実際に不妊治療を受ける夫婦も年々増加、実際に不妊治療を受けている患者数は28万4800人にも上るという。不妊治療には治療を受ける女性や家庭にとって、精神的・経済的負担がとてつもなく大きい。また、たとえ国家が不妊治療を援助したとしても、現行の医療制度では、その負担は日本国民にまわってくるだけだ。社会の非嫡子受け入れの態勢を整えよ、と言う人々もいるが、これも逆に婚姻の乱れなど日本の伝統的道徳観念崩壊を促すことになる、と懸念する声もまだ根強い。

中国については、一人っ子政策の推進に反対はしないが、同政策における富裕層の優遇の問題や強制中絶の問題を解決する努力が足りないとだけは言っておきたい。

子供を増やせない中国と、子供を増やしたい日本。両国がここでうまくつながらないものか。

私は、日本人による中国の子供の養子縁組を強く提案したい。養子縁組ならば移民のように社会不安定要因となる可能性も低い。欧米諸国では、中国を含むアジア諸国の子供との養子縁組を積極的に進めている。もちろん子供の売買や養子縁組後の虐待などを徹底的に防止する対策が不可欠であることは言うまでもないし、日中関係における敏感な部分に配慮する必要はある。

日本と中国は養子縁組協定を交わしておらず、日本は国際養子縁組についての国内法さえ存在しない。だから日本人が中国人の子供を養子縁組したくても、これがネックになり、普通その実現は不可能に近い。

日本はこのことについて中国と協議を始めてはどうか。そして海外養子縁組に関する国内法の整備も進めてみてはどうだろうか。懸念は多々あろう。同じように超高齢化社会に突入しようとしている中国にとって利点が少ないのも事実だ。しかし、両国が互いに真摯な姿勢で協力すれば、堕胎を望まない女性が出産できる環境を少しでも整備することにつながるのではないだろうか。

■「全人類の中国分析2」は中国ニュースを材料に、情報を正しく解読することの大切さを伝える、あるレコードチャイナ・ライターのブログ。Livedoor Blogに掲載。

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