「風水的」補強と近代化の共存、中国的現代都市の完成形―北京市

Record China    2008年11月19日(水) 16時18分

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12日、北京市の中心を南北に結んだ線は風水思想で「龍脈」とされ、都市計画の肝となってきたが、ここに五輪施設が加わることで、歴史的建築だけでなく近代化のシンボルまでが揃い、さらに「風水的」補強も遂げたと伝えられた。写真は景山公園から見た北京の中心線。

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2008年11月12日、北京市の中心を南北に結んだ線(永定門から天安門を経て五輪スタジアム「鳥の巣」を結んだ線)は、風水の思想では「龍脈」とされ、古来より都市計画上の肝となってきたが、従来、中国の文化的・歴史的建築が集中してきたこの軸線上に、五輪関連の施設が加わることで大々的な「風水的補強」がなされたと伝えられた。「中国新聞網」の報道。

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北京五輪の聖火リレーのコースにもなったこの中心軸線。燕(BC1100年ごろ〜BC222年)の時代に都市建設がはじまって3000年を迎える北京は、ここを起点に左右対称の街づくりが進められ、秩序正しい勇壮な美観を形成しながら、風水に基づいた街づくりが行われていた。「龍脈」と呼ばれる中心軸線上には、有名な故宮をはじめ景山公園、北海公園など歴史建築が鎮座しており、中華人民共和国成立後には、天安門広場や人民大会堂など政治的に重要な意味を持つ建築物も多く出現した。

しかし、その後の中国は文化大革命を経て、風水を“迷信”として禁じてきたため、「物的配置によって気の流れを整える」という風水的都市計画は一旦、中断することになる。

ところが、今年の五輪開催に際し、著名外国人デザイナーらによって建設されたスタジアム群は、北京に再び「風水思想」を呼び戻した。これは「四神相応」との思想に基づいたもので、北に山を頂き、南に水を構えるという地理条件を備えることで、発展の流れを集めるものだ。市の南北を貫く中心軸線の北端に設けられた中国最大の都市公園「オリンピック森林公園」は、敷地内の広大な森林がまさに、「北側の山」の役目を果たしている。また、園内に設けられた人工池と、そこから曲線を描きながら流れ出す川は、古くから市内に点在する後海や什刹海などの池と呼応して天に昇る「龍」の形を示している。公園は現代技術の粋を集めた五輪メインスタジアム「鳥の巣」や競泳スタジアム「ウォーターキューブ」などを擁しているが、同時に古代から連なる風水思想を壊すことなく、むしろさらに補強する意味合いを含めているのである。

外国メディアは、こうした状況について「100年前は北京のシンボルともいえる故宮が中国に近代化をもたらすことを妨げてきた。しかし、100年後の現在はその延長線上に作られた五輪施設が、中国の発展と国際社会との調和を示すシンボルとなっている。これらは中国が歩んできた30年間の改革開放をさらに進めるスタート地点でもある」と表現している。(翻訳/HA・編集/愛玉)

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