日韓慰安婦合意の検証報告書、韓国紙の論調は抑制的「破棄すれば関係破綻」「過去の問題で関係硬直化させるタイミングではない」

Record China    2017年12月29日(金) 22時10分

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従軍慰安婦問題をめぐり、「問題が再燃するほかない」とまで断じた日韓政府間合意の検証報告書。韓国紙の論調は「破棄すれば韓日関係は破綻」「過去の問題で関係を硬直化させるタイミングではない」などと抑制的だ。写真はソウルの日本大使館前。

従軍慰安婦問題をめぐり、「問題が再燃するほかない」とまで断じた日韓政府間合意の検証報告書。文在寅大統領は「合意に重大な欠陥があった」との声明を出し、再交渉に含みを残したが、韓国紙の論調は「破棄すれば韓日関係は破綻」「過去の問題で関係を硬直化させるタイミングではない」などと抑制的だ。

韓国外務省の作業部会がまとめた検証報告書について、朝鮮日報は「韓日慰安婦合意、瑕疵(かし)に劣らず意義も大きかった」との社説を掲載。15年末の合意を「韓日両国が少しずつ譲歩することで、両国関係を正常化する方向に進んだのは否定できない。日本の首相が公式の場で謝罪したのも初めてだったし、また日本政府の予算で慰安婦財団に資金が提供されたのも初めてだった。いずれも日本政府がそれまで絶対に受け入れなかった内容だ」と評価した。

さらに「確かに慰安婦問題は重要だ」としながらも、「2年前の合意を破棄し、再交渉を求めれば、韓日関係は完全に破綻するだろう」と警告。「北朝鮮が核武装の完成を宣言した今の状況で、いつまでも過去にとらわれているわけにもいかない。歴史問題は歴史問題として厳しく対応すべきだが、同じように韓日関係も正常化しなければならない。中国はすでにそれを実行に移している」と論じている。

東亜日報は社説で「12・28合意に問題が多かったということは異論の余地がない」とする一方で、「たとえ前政権が不十分な合意をしたとしても、政府間の約束を一方的に変えることは難しい」と指摘。「合意で評価する部分は評価し、不十分な点は補完・修正・追加することが賢明な方向だ。韓半島の外交安保状況が一触即発の危機に突き進む状況で、過去の問題で韓日関係を硬直化させるタイミングではない」と冷静な対応を求めている。

中央日報も社説で「北朝鮮の核の脅威を日本と共に解決すべきわれわれの立場では安倍政権との協力が必要だ。韓国政府としては慰安婦被害者をなだめながら今回の発表が両国関係に及ぼす悪影響を最小化することが上策だ」と強調。「慰安婦被害者の気持ちを十分に反映しながら、国益も最大限にできる均衡点を見つけなければならないだろう」と注文している。

左派系のハンギョレ新聞は「日本は『慰安婦』被害者の名誉回復の意義に立ち返れ」との社説で、「慰安婦問題の合意は、互いに有利なことをやりとりするような通商協定とは性格が全く違う。歴史的意味と人類共通の価値を再確認する崇高な作業だ」と主張。「日本政府は両国が合意になぜ乗り出したかを今からでも振り返り、いかにすることが韓国と日本の未来指向的関係に役立つのか、深く考えるべきである」と訴えているが、「合意破棄」や「再交渉」に直接言及することは避けている。(編集/日向)

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