<在日中国人のブログ>中国人が日本のエレベーターで大声、日本人は微笑みながら…

黄 文葦    2017年12月13日(水) 19時40分

拡大

中国で知名度が高い化粧品ブランドである「ポーラ」は、「中国の方出入り禁止」と書かれた貼り紙の写真が出回ったことを受け、ホームページで謝罪した。日本企業が差別的な言葉を使ったことが本当に意外だ。写真はエレベーター。

中国で知名度が高い化粧品ブランドである「ポーラ」は、「中国の方出入り禁止」と書かれた貼り紙の写真が出回ったことを受け、ホームページで謝罪した。不適切な貼り紙の写真は11月24日、中国のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで公開された。日本企業が差別的な言葉を使ったことが本当に意外だ。

中国人観光客にとっては、日本の化粧品は一番のお土産と言っても過言ではないと思う。私は中国に戻る際、いつも日本の化粧品をお土産として親友たちに贈る。近年、中国人観光客が日本を訪れ、一番「爆買い」をしているものは化粧品である。大勢の中国人が日本化粧品を愛用している。

池袋のドラッグストアに行くと、多くのお客さん、そして店員さんも中国人であることも珍しくない。中国人観光客、特に女性の方は多くの化粧品を買い込む。ちなみに、現在、中国人観光客をひきつけようと、日本企業はSNSを活用して商品をアピールし、自社の商品の知名度をアップさせようとしている。しかし、今回のポーラの貼り紙の件もSNSであっという間に「悪名」が広がってしまった。ポーラの一件が化粧品の爆買いに影響を及ぼさないことを願っている。

ニュースを目にした時、「なぜそのような貼り紙を出したのか?どういった事情があったのか?」と考えずにはいられなかった。「もしかして、過去に中国人の客がポーラの店舗でマナー違反をした?」などと推測してしまった。正直、中国国内の友人が日本旅行に来る度に、私はいつも事前にマナーを忠告している。例えば、「電車の中でカメラを人に向けない」、「レストランと電車では大声で喋らない」などなどだ。

ある日、来日した友人と一緒にデパートの混雑していたエレベーターに乗ろうとした。友人が少し大声で話すと、隣の日本人が微笑みながら、口に指を当てて英語で「be quiet」(静かに)と優しく言ってくれた。友人はすぐ「sorry」と謝り、「日本人は静かなのが好きなんですね。注意してくれて、日本人は親切ですね」と話していた。

もしも街で、自分の周りで、マナーが悪い観光客を見つけたら、あなたはどうしますか?何もしない人が多いだろう。「電車で会話していたら周りの日本人ににらみつけられた」とある中国人観光客の話を聞いたこともある。にらみつけても問題ないが、「マナーが悪い観光客」にどこが問題だったのかを指摘してあげた方が良かったのではないだろうか。観光客と日本社会の間に文化と習慣の壁があるけれども、お互いに理解・尊重しなければならない。観光客を温かく迎えられる環境も必要である。

中国人観光客に対して、日本人は2つの誤解を持っていると感じる。1つ、「中国人観光客は皆お金持ち」。実は富裕層はわずか一部分である。多くの人は普段から節約し、日本に来た際に気前よく買い物する。もう1つは、「中国人観光客はマナーが悪い」ということ。ただ、これも迷惑行為をしたのはわずか一部分の人である。また、日本に来る回数が増えれば日本にも慣れ、マナーが段々よくなってくるだろう。

日本文化に愛着を持つ中国人観光客はたくさんいる。中国の若者がわざわざ日本各地のアニメの聖地を巡礼し、訪日旅行のリピーターがローカル電車で日本の隅々まで旅を楽しんでいる。今後、観光客がさらに日本を楽しめるように、日本側の理解とお互いの尊重は必要不可欠である。

■筆者プロフィール:黄 文葦

在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。

■筆者プロフィール:黄 文葦

在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。

Facebookはこちら
「黄文葦の日中楽話」の登録はこちらから

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携