日本の神社を訪れたその日、「信じられない幸運」が私に!―中国人学生

配信日時:2017年10月10日(火) 11時50分
日本の神社を訪れたその日、「信じられない幸運」が!―中国人学生
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外交学院の張靖●さんは、自身が好きな漫画の聖地を巡った時の体験や出会いについて作文につづっている。
中国人観光客の旅行はツアーから個人へ、その目的も買い物から体験型に移りつつある。そして、中国に多くいる日本のアニメファンの間では、アニメ縁の地をめぐる「聖地巡礼」もまた人気だ。外交学院の張靖●(●=女へんに睫のつくり)さんは、自身が好きな漫画の聖地を巡った時の体験や出会いについて作文に次のようにつづっている。

「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」

夢の中にもこの句が繰り返し出てきた。目を覚ましたらちょうど関西国際空港に着くところだった。

『古今集』の中にあるこの句は、漫画『ちはやふる』の主人公、千早の大好きな一句である。この漫画は競技カルタを題材にして、綾瀬千早という少女がカルタクイーンの座に向かって努力する過程を描いた作品だ。偶然の巡り合わせでこの漫画と出合った私は、千早の百折不撓の精神に感心して、百人一首カルタが好きになり、それが高じて聖地巡礼の旅に出たのだった。

「近江神宮って一体どこにあるのよ。神社に行きたいなら出雲大社や伊勢神宮といった歴史的文化財のあるところに行けばいいのに」と、私が出発する前、友人は言うのだった。私は心の中で、だってあそこは『ちはやふる』の舞台で一つの聖地なのよ、とつぶやいた。

信じられないような幸運に恵まれて訪れた日、競技かるたの全国大会がそこで開催されていた。ひっそりと静まり返っている中、選手は札を混ぜて暗唱し、そこに漂う空気は厳かだった。物音一つたてないような静寂の中で札が読み上げられ、歌には独特なメロディーがあって、みんなの心を落ち着かせた。それを聞いた選手は当たっている札を探し、観客は緊張して見ていた。

選手がその張りつめた空気を破るまで、会場の時間は止まったようで、私は息すらできなかった。一生懸命に札を取る選手たちの姿を見て、カルタへの情熱が深く感じられ、カルタ初心者として本当に感心した。静寂を破る読手の声を聞くと、目の前に漫画の情景が広がって、『ちはやふる』という漫画の世界に入り込んで、千早がどこかでカルタを取っているように思えた。

幸運が重なり、試合を見に来た『ちはやふる』ファンの女の子に出会った。思いがけずカルタのことから日本の歴史や文化までいろいろ話して、なんと『ちはやふる』の聖地を案内してくれた。千早の通った道を歩き、千早の行った所を訪れることによって、自分なりの追体験ができた。目の前の世界が漫画の場面と繋がり、私自身、生き生きと実感できた。千早のいる世界が本当に存在していて、千早がそこで元気に暮らしている心象風景が心の底から浮かんできた。

別れのとき、彼女が箸をプレゼントしてくれた。「箸はね、架け橋の橋と同じ発音なの。日中の友好交流じゃなくて、同好交流を私たちの世代から始めようよ」と話した。今回の旅は、人でいっぱいの観光地へは行かず、私にとっての聖地巡礼をしたり、同好の友人と話をしたりして、普段の旅行にはない一味違った体験ができた。

自分の好奇心や感動したことにこだわって日本各地を歩く、感動追体験型の旅行は有意義なものだった。買い物ばかりしている旅行では「旅行」の本質を見失ってしまう。今の時代、ACGN(アニメ、コミック、ゲーム、ノベル)に興味を持つ若者がだんだん増えている。好きな作品を契機に作品の聖地へ追体験型の旅行をすることは、作品ファンとしても旅行者としても、さらに人的交流の使節としても有意義な旅だと思われる。(編集/北田

※本文は、第十二回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「訪日中国人『爆買い』以外にできること」(段躍中編、日本僑報社、2016年)より、張靖●さん(外交学院)の作品「聖地巡礼の旅」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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