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<直言!日本と世界の未来>問われる『自民一強』へのチャレンジ=民進党代表選に寄せて―立石信雄オムロン元会長(直言篇19)

配信日時:2017年8月27日(日) 5時0分
問われる『自民一強』へのチャレンジ―民進党代表選―オムロン元会長
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日本の今後の政治を占う民進党代表選(9月1日投開票)が展開されている。野党第1党は世論調査での支持率が一ケタ台に落ちた党勢を回復できるだろうか。
日本の今後の政治を占う民進党代表選(9月1日投開票)が展開されている。野党第1党は世論調査での支持率が一ケタ台に落ちた党勢を回復できるだろうか。

前原誠司元外相と枝野幸男元官房長官が立候補している。「どちらが勝っても、党分裂や野党再編への流れは変わらない」との冷めた見方もあるが、2大政党制の一翼を担う政党として踏ん張ってもらいたいものだ。

まず党のガバナンス(組織統治)。その具体的な方策を示すことが重要だ。官僚、経済界、労働界、学者、メディアなど有識者とのネットワークづくりも欠かせない。

民主党政権時代の3年半の経済政策は、安倍政権が今やっていることと、あまり変わらないような気がする。人づくり改革は、『コンクリートから人へ』と同じ。高等教育無償化も、『高校無償化』と変わらない。違うのは、アベノミクスに対する考え方。安倍政権は異次元緩和や、日銀や年金基金による株・国債購入による株値押し上げ、2度の消費増税延期など国民受けする政策で支持率を浮揚してきたが、そろそろ抜本的な経済成長戦略が必要ではないか。

安倍政権は「加計学園」「森友学園」「自衛隊日報」など都合の悪い事実や報告書を隠ぺいしたり、開示が不足したりして、国民の不信が高まり支持率が急落した。やはり「自民党一強」ではチェックが効かず、慢心や暴走につながりやすい。したがって健全な野党勢力が必要ではないか。

自民党は議席数を見れば、盤石のようだが、そうでもない。小選挙区制によるマジックが働いている。投票率や投票総数を見ると必ずしも断トツではない。東京都議選でも公明党の協力を得られずに、自民党は「都民ファースト」に敗れた。
 
小選挙区制の弊害は議席の揺れが極端に大きくなること。最近の衆院選はいずれも、勝った政党が議席を取りすぎている。小選挙区制ではマジョリティ(過半数)をとらなければならないので、俗に言う“世論調査政治”に陥っている。政策立案の勉強よりも、選挙区の支持者の開拓とフォローが優先される傾向にあるようだ。政策も基本的に次の選挙で勝てる短期的な政策のみを志向がちで、長期的な視点に欠けるきらいは否めない。小選挙区制移行や政党に資金を集める政党助成金は、政党を強くするための改革だったのに、実際にはそうはなってはいないのは残念である。

衆議院に小選挙区を導入したことで、いったんは政権交代が実現したが、民主党政権が短期間で挫折、その後の民主党、民進党の低迷で、政権の選択肢がなくなってしまったのは不幸なことである。野党の力不足が政治から緊張感を奪い、自民党の緩みも生んでいる。

民主主義が健全であるためには、頼れる野党が必要である。政権交代に現実味がなければ、政権党は緊張感を失い、おごりや腐敗につながりかねない。企業でも、長期にわたり同じ人物同じ仕事をしていると、外部の取引先などと癒着をし、問題を起こすことも多い。各種世論調査では、8割以上が「自民党に対抗できる政党は必要だ」と答えている。

代表候補の前原、枝野両氏が主張する経済政策は「社会保障を充実させ、将来への不安をなくすことが個人消費の喚起につながり景気回復、経済成長にもつながる」というもので共通している。金融緩和や財政出動で経済成長を目指すアベノミクスとは異なるボトムアップ型の分配政策で、一定の増税を前提にする。格差是正や潜在成長率のアップを実現するためにはどの方策がいいのか。アベノミクスへの具体的な対案と、もっと長期的な視野での日本のあるべき姿を民進党は国民に示していただきたい。

■立石信雄(たていし・しのぶお)
1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC=企業市民協議会)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。公益財団法人・藤原歌劇団・日本オペラ振興会常務理事。エッセイスト。
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