日本の都市は「暑さ」をセールスポイントに町おこし―中国コラム

人民網日本語版    2017年8月20日(日) 0時40分

拡大

日本は夏になると海洋気候の影響を受け、沿海地域はとても蒸し暑くなる。また、山や丘陵が多いためたくさんの盆地が形成されており、そのような地域は熱気がこもるため、夏になると沿海地域より気温が高くなる。

日本は夏になると海洋気候の影響を受け、沿海地域はとても蒸し暑くなる。また、山や丘陵が多いためたくさんの盆地が形成されており、そのような地域は熱気がこもるため、夏になると沿海地域より気温が高くなる。日本の「暑い都市」は往々にして、京都のような山間の盆地に位置している。そのほか、日本の大都市は非常に発展しているため、ヒートアイランド現象が起こり、周辺の地域も含めて気温が非常に高くなる。夏に暑いというのは自然なことで、日本ではスイカを食べたり、花火をしたり、浴衣を着て祭りへ行ったりするというのが夏の「風物詩」となり、日本人は子供のころからそれらを当然のこととして経験している。また、「暑い都市」の中には近年、「熱をもって暑さを制す」と言わんばかりに、「暑さ」を売りにして観光客を呼び込んで、「暑さ」を体験してもらったり、関連グッズを販売したりしている都市もある。(文:彦初。環球時報掲載)

▽日本で「一番暑い」が絶好のセールスポイントに

日本で非常に暑い都市の一つが高知県四万十市。気温41.0度の国内観測史上最高記録を持っている。また、2番目の記録は埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市の40.9度だ。その他、山形県山形市が40.8度、山梨県甲府市が40.7度を記録したことがある。山形市の40.8度は、1933年に観測されたもので、最高記録を74年間保持していたというのは注目に値する。日本の気象専門家は近年、西日本や沖縄の気温が上昇傾向にあると分析している。

四万十市は四国の南西部に位置し、街は海から数十キロ離れた盆地。標高約1000メートルの山に囲まれ、夏になると非常に暑くなる。地元の人によると、夏になると、熱中症になるのを避けるため、畑や田んぼの仕事をするのは早朝と夕方だけという。しかし、2013年8月12日に、41.0度という日本最高気温を記録して以降、同市は一躍有名になり、「日本最高気温」を体験してみようという観光客が他の地域から押し寄せるようになった。そして、同市江川崎付近の駅には、「日本一暑い駅」という看板が掲げられている。また、同市の観光協会は、「日本一暑い町」を記念して、気温41度 にちなんで「41」をロゴにしたTシャツやタオルのほか、41円のかき氷を販売して、観光客の呼び込みに取り組んでいる。41円のかき氷は、13年8月12日から3日間で700杯以上売れたという。同市は「日本一暑い」というのを宣伝文句にして、観光業の発展を促進しているのだ。夏になると、同市は、「猛暑」にちなんだ一連のPRイベントを行っている。例えば、「熱をもって暑さを制す」と言わんばかりの、気温35度以上の日に激辛の焼きうどんを早食いするイベントがあり、いい宣伝になっている。

猛暑のほか、「深夜食堂」の作者である安倍夜郎の出身地でもあるというのが、四万十市のセールスポイント。安倍夜郎がイラストエッセイ「四万十食堂」で、幡多地方独自の郷土料理を紹介したのがきっかけで、外国人観光客が同市を訪れるようになった。市内にある中村駅で降りて、市街地に向かって歩いていくと、特色ある飲食店が見えてくる。看板料理は川魚料理で、ウナギが特においしい。また、カツオのたたきも非常に有名だ。

▽最高気温2位の熊谷市は「暑さ対策」PRに舵切り

日本には他にも「暑さ」を売りにしている都市がある。例えば、日本の最高気温2位の座を保っている熊谷市は、05年から「あついぞ!熊谷」という、地域観光・文化PR活動を行っており、高さ4メートルの大温度計が百貨店「八木橋」前に設置され、午前11時と午後2時の気温を赤い目盛りで表示したり、関連の旅行商品を打ち出したりしていた。しかし、近年は、他の都市と暑さを競っているというイメージを作りたくないという方針から、同市の「暑さ」を売りにしたPRは影をひそめるようになっている。特に日本各地で夏に熱中症になる人が増えており、今では熱中症予防などの「暑さ対策」にPRの重点を移している。それでも、「地元の経済促進のため、『暑さ』という売り文句を簡単に捨てないほうがいい」という地元の人もいる。

▽「暑い」からこそできた「夏の風物詩」

暑いからこそ日本特有の夏の風物詩ができたため、日本人にとっては、蒸し暑い夏のおかげで「特別な思い出」を作ることができるといえる。昔の日本では、夏になると、蒸し暑いだけでなく、病気が蔓延したり、災害が多発したりしていた。人々は、それが自然や神様からの天罰であることを恐れ、魔よけや健康祈願、豊作祈願などのためのお祭りもたくさん行われるようになった。そのため、日本では、7月と8月が伝統的なお祭りの最も多いシーズンとなっている。代表的なのが京都の祇園祭や大阪の天神祭。さらに、各地で、盆祭りなどの特徴ある祭りが行われる。(提供/人民網日本語版・編集KN)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携