南シナ海で日中両国の駆け引きが活発化、日本は「いずも」長期派遣し中国けん制、フィリピン支援でも競争

Record China    2017年7月1日(土) 8時0分

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南シナ海で中国と日本の駆け引きが活発になっている。日本は海上自衛隊の最大級護衛艦「いずも」を長期派遣して中国をけん制。フィリピンへのインフラ建設などの支援をめぐっても日中両国が競争を繰り広げている。資料写真。

2017年7月1日、中国が軍事拠点化を進める南シナ海で、日本と中国の駆け引きが活発になっている。日本は海上自衛隊のヘリコプター搭載型で最大級の護衛艦「いずも」を付近の海域に長期派遣して中国をけん制。フィリピンへのインフラ建設などの支援をめぐっても日中両国が競争を繰り広げている。

「いずも」は5月初めに日本を出港。同月中旬にシンガポールで国際観閲式に参加後、フィリピンのスービック湾に寄港してドゥテルテ大統領を艦上に招待した。さらに米原子力空母「ロナルド・レーガン」との共同訓練をこなし、シンガポールへ戻って6月19日から23日まで報道陣と東南アジア諸国連合(ASEAN)10 カ国の士官を乗せ、南沙(スプラトリー)諸島近くを航行した。

ロイター通信によると、中国が南シナ海で広範な領有権の根拠とする「九段線」付近に差し掛かったところで、レーダーが同国軍のものらしき機影をとらえる場面があった。艦内のスピーカーからは「レーダー探知」の声が流れ、緊張が走ったという。

「いずも」について、台湾メディアは「中国の空母『遼寧』を30分で撃沈できる可能性が高い」との日本の軍事専門家の見解を紹介。その理由としては「米国製のF35B戦闘機を搭載することができ、中国海軍のレーダーは同機をキャッチできない。加えて対艦艇で高い戦闘力を持つ」などを挙げている。

中国メディアによると、この見解に中国の海軍専門家は「誇張している」と反論。「日本がF35Bを導入する動きはない。仮にF35Bを導入するとしても、巨額の費用や『いずも』の甲板の改造など問題は多い。さらに、対艦ミサイルは大きく、機体内に収納することはできない。外付けした場合ステルス効果は下がるためレーダーに捕まりやすい」などと指摘している。

南シナ海問題の当事国であるフィリピンの抱き込みでも日中両国はしのぎを削っている。日本は国際協力機構(JICA)を通じて44億ドル(約4926億円)を投じ、マニラ首都圏中心部を走るフィリピン初の地下鉄網「メガマニラサブウェー」を整備する。ドゥテルテ大統領の中国傾斜を止める狙いとされ、11月に安倍晋三首相と同大統領が覚書を締結する予定だ。

日中両国の支援競争に関して、台湾の中国時報電子版は北京大学国際関係学院の梁雲祥教授が「日本に勝ち目はない」と論じたと伝えた。この中で同教授は「日本は政治的に際限なくお金を費やして中国と戦略的な競争を進めるのは不可能」と指摘。「日本企業のための経済的な争いという点から見ても、中国ほど多くの資金を持っていない上に、中国が提示している条件が非常に良いものであることから中国に勝つのは難しい」と説明している。(編集/日向)

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