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<コラム>日本人の「当たり前」はどれだけ幸せか、中国の子どもの計り知れない寂しさに思うこと

配信日時:2017年6月10日(土) 14時0分
日本人の「当たり前」はどれだけ幸せか、中国の子ども寂しさに思う
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中国人の女性は出産をしても滅多に仕事を辞めない。中国人の友人によると出産後3カ月でほとんどの女性は仕事に戻るらしい。写真は中国の親子。
中国の女性は出産しても滅多に仕事を辞めない。中国人の友人によると出産後3カ月でほとんどの女性は仕事に戻るらしい。男性と同じように働き、結婚や出産のためにキャリアを諦めないのだ。しかし、これは時に問題を生むのだと先日夫との会話で気付いた。

日本では「女性の社会進出」の遅れという問題はあるものの、子どもが生まれた直後から母親が子どもより自分の仕事を優先させるということはあまりないと思う。生後数カ月で保育園に預けて働く母親もいるが、毎日深夜にならなければ子どもに会えないほどのお母さんはあまりいない。赤ちゃんはお母さんにしっかり守られて、可愛がられて大きくなることができる。しかし、中国では仕事を優先させて子どもが生まれてもミルクをあげたことがほとんどない、子どもと2人きりになったことがほとんどない、という母親がたくさんいるのである。

母親が子どもより仕事を優先させる理由は主に2つある。1つは自分のキャリアのためである。ただでさえ競争の激しい中国で男性とキャリアを競い合わなければいけないのだ。並大抵の仕事では自分の描くキャリアは望めない。この場合は父親と祖父母が子どもの面倒を見ている場合も多い。2つ目は経済的な理由である。夫と同じように働かなければ家計が成り立たない。この場合は両親ともに家に不在がちなので、子どもはほとんど祖父母と生活を共にすることになる。山間部に住む中国の子どもなどは両親が都市部に出稼ぎに出たら2年に1度ほどしか両親に会えないケースもあるというのだから、なかなか問題は深刻である。

とにかく、日本では単身赴任などの理由がない限り当たり前にできている「赤ちゃんや子どもがお父さんとお母さんと毎日顔を合わせる」という生活が、中国ではできないケースも多い。平日はお母さんと過ごして週末はお父さんに遊んでもらう…などという生活は中国人からすると経済的に豊かな日本人だからできる暮らし方なのかも知れない。

私の中国人夫の両親も夫が小さい頃から共働きで、数年間夫を家に置いて仕事で離れた地方都市に行っていたため、夫は長い間祖父母に育てられていた。両親は小さな弟を地方都市に連れて行ったけれど、夫は連れていかなかった。数カ月に1回しか両親には会えず、子どもだった夫は別れ際には毎回大泣きしていたそうである。

日本ではほとんどの子どもが親に毎日会うことができる。両親が仕事で会話ができない日があったとしても、両親が離れた都会に行ってしまい、子どもとほとんど会えないなどというケースはほとんどなく、あったとしても中国よりもずっとずっと少ない。お父さんとお母さんと一緒にいたいと思うのは、日本の子どもも中国の子どもも同じである。中国の子どもの抱える寂しさは、日本人の私には計り知れないものがある。

そんな話を夫から聞いてから、当たり前のようにお父さんとお母さんに甘える日本の子どもを見ると、心から「良かったね」と温かい気持ちになる今日この頃である。何百キロも遠くに行かなくても家族が暮らしていくためのお金が稼げる日本。毎日子どもの顔が見られるたくさんの日本のお父さんとお母さん。日本の素晴らしさは私たちの気づかない小さな小さな日常に隠れているのかも知れない。

■筆者プロフィール:むらさわりこ
1989年日本生まれ。22歳の時に2歳年上の福建省出身の中国人男性と結婚。英語を独学で習得後、英会話講師として働く傍ら中国のテレビなどを通し中国語も独学で習得。趣味は語学と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な国を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に国境や言葉の壁は関係ないと考えている。
※掲載している内容はコラムニスト個人の見解であり、弊社の立場や意見を代表するものではありません。
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