<早分かり>東方航空「Uターン」スト事件は氷山の一角?体質改善が待たれる航空業界―中国

Record China    2008年4月9日(水) 15時38分

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このところ、中国東方航空をはじめ航空業界に不穏なストの空気が充満している。その背景にあるのは恒久的な人材不足と苛酷な労働環境、市場競争の激化などといえる。写真は国内で4社目の民間航空会社・東星航空の旅客機。

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2008年3月31日〜4月1日の間に、中国東方航空(MU)雲南分社のフライト合わせて21便が目的地到着前に出発地へ引き返すという事件が起きた。当初は天候が原因とされていたが、4月7日には航空会社側が「人為的な原因」、つまり乗務員による一連のストライキであったことを認めた。

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今回の大規模なストライキは決して突発的なものではない。先月中旬から、複数の航空会社で不穏な空気は流れていた。まずは3月14日、上海航空の40人もの機長が突然「病気休暇」願いを提出。続いて3月28日、東星航空の11人の機長が「集団休暇」に突入する。今回の東方航空の事件でも、乗務員がメディアの取材に応じて語ったところによれば、待遇の低さや人手不足の引き起こす劣悪な労働条件により、職員の間に不満が募っており、事件の数日前からストライキを呼びかける動きがあったという。

なお、前出の上海航空では操縦士による労働契約関連の告訴が続出している。告訴件数は合わせて13件で、その賠償請求額の総額は3500万元(約4億9000万円)にも上るという。同時に、同社では10人の乗務員が辞職願いを提出しているが、乗務員は航空会社と「無期限の雇用契約」を結んでおり、中途退社する者には400万元〜500万元(約5600万円〜約7000万円)もの高額な「違約金」が要求されるという。

このような多額の違約金で職員の流出防止措置を行う背景には、2004年、航空業界に民営企業が参入し、操縦士が大幅に不足したことが挙げられる。当時、国内に1万人しかいなかった操縦士は、新規参入してきた民間企業に高待遇で引き抜かれていく結果となった。民航総局では2010年までに6500人の操縦士を補充することを目標としているが、現状では年間600〜800人の増員に留まっているという。各航空会社では操縦士の育成に多額の資金を投入しており、人材流出を避けたいという意向があるものの、市場のニーズとの間に不均衡が広まっているのが現状である。市場競争原理に則した体質改善をしなければ、追い詰められた職員によってまた同様の事件が起こることは、充分に予測できる。(翻訳・編集/愛玉)

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