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<コラム>日本人の私がはまった中国のテレビ番組、中国はやはり厳しい実力社会

配信日時:2017年3月19日(日) 16時30分
日本人の私がはまった中国のテレビ番組
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以前「我是歌手」という中国本土の歌番組を観た。この番組は韓国のバラエティー番組「I Am a Singer」の中国版。資料写真。
以前「我是歌手」という中国本土の歌番組を観た。この番組は韓国のバラエティー番組「I Am a Singer」の中国版。

2013年から2016年の4年間に渡って放送され、シーズン4まである。毎シーズン7人の歌手が出場し10代から50代までの500人の観客の投票によって、最も票が少なかった歌手が脱落していくという勝ち残り戦だ。出演している歌手は、李克勤、張信哲、羽泉、韓紅、曹格、沙宝亮、ココ・リーなど中国本土だけでなく、台湾、香港、マレーシア、シンガポール、アメリカなどの大物華人歌手が集っている。シーズン4では韓国人人気歌手のファン・チヨルも出演していて、中国でブレークするきっかけとなった。

日本人である私が見ると、いくつか面白い点があったので今回はそれについて書きたいと思う。

まず出演歌手たちは試合をして戦っているはずなのに、お互いを惜しげも無く称賛し合っている。誰かが歌っている間は他の歌手がその素晴らしさに驚いている様子が必ず映っているし、歌い終わった歌手が戻ってくるとみんなで立ち上がって拍手をしたり抱き締めたりして出迎えている。

日本の競争型歌番組は、どちらかというと「絶対負けない!」という意志をライバルや観客に見せる傾向が強いと思う。試合が終わってライバルを「素晴らしかった」と褒めることはあっても、試合中に素晴らしかった、感動した、と相手に直接伝えることは(そしてそれが当たり前のように放送されることは)ほとんどないかもしれない。

もちろん出演歌手は胸の内では「自分が一番だ、絶対に負けない」と思っている事であろう。しかし表面ではお互いを称え合う。お互いがお互いの面子をたもっているのだろうか。面子を大事にする中国文化が関係しているのかと思い興味深かった。ちなみに韓国版も観たが(残念ながら韓国語は全く分からない)韓国版はどちらかと言うと誰かが歌っている間の他の出演者は「まずい、上手いぞ」と思いながら口を閉じているように感じた。

面子を大事にする様子が良く分かる番組だが、50代・60代の大御所歌手が脱落することもある。若手の歌手に負けるなんて面子が保てないのでは?と思うのだが、それは少し違うらしい。

中国人夫いわく、あくまで実力で評価されるべきである。「年上だから、ベテランだから」という理由だけで評価をされたなら、そんなの誰だって年を取るし年をとれば誰だってキャリアは長くなるのである。逆に言うと長くやっていても実力がなければ、中身がなければ駄目だということである。中国はやはり厳しい実力社会なのかも知れない。

最後にこれは単純に私が凄いと感じたことなのだが、若者に限らず年配の歌手も英語の歌を歌いこなす。しかもかなり発音が良い。英語を話すかどうかは定かではないが発音の良さにはびっくりした。

Eaglesのhotel Californiaやwiz khalifaのsee you againなどをかなり綺麗な発音でおじさん達が歌っていた。しかも英語が上手いことは特に触れられていない。一流歌手だったら英語が出来るのは当たり前なのだろう。

出演する歌手の歌唱力は抜群で、編曲・演出力もかなりの力が入っている。歌のジャンルもロック、ポップに限らず民族音楽、ジャズなどかなり範囲が幅広い。日本人である私が観ると、これらのような興味深い点も多くすっかりハマってしまった番組である。

■筆者プロフィール:むらさわりこ
1989年日本生まれ。22歳の時に2歳年上の福建省出身の中国人男性と結婚。英語を独学で習得後、英会話講師として働く傍ら中国のテレビなどを通し中国語も独学で習得。趣味は語学と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な国を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に国境や言葉の壁は関係ないと考えている。
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