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<在日中国人のブログ>「反ロッテ」騒動を見て、中国人がこれまでボイコットを叫んだ対象を考えてみた

配信日時:2017年3月8日(水) 17時36分
<在日中国人のブログ>中国の「反ロッテ」騒動を見て考えたこと
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中国の反ロッテ騒動を見た在日中国人の男性が、「納得いかない」との思いをつづっている。
ここ数日、中国のSNS上には「ロッテをボイコット」「韓国製品は買わない」などというスローガンが飛び交っている。河南省の某スーパーマーケットは韓国製品を店から運び出し、重機で破壊。中国国歌が流れる中で行われたこの行為に、見物していた市民らは喝采を送った。この店の経営者は以前からの民族主義者とみられ、2012年に反日運動が起きた時には「日本人と犬の入店禁止」という看板を入り口に出して物議を醸した。今回のスローガンは過激さと下品さを増し、「ロッテは中国から出て行け」に加えて中国で最もポピュラーなスラングも。もちろん、これは放送禁止用語だ。幼い子どもを持つ親たちは「こんな汚い言葉を使うとは自分の無知をさらけ出すようなもの」「公の場で…。社会への影響は考えなかったのか?」「(組織者は)自分の子どもにこんなスローガンを見せたいと思うのだろうか」といったコメントを寄せた。

この騒動は、韓国ロッテグループが在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備のための用地提供を決めたことが発端となった。冷静に考えてみると韓国の措置は間違ってなどいない。北朝鮮は何かにつけ核実験を行ったり、ミサイルを発射したりする隣国だ。誰も安心なんてできない。そんな中で韓国政府はロッテの土地に目を付けた。ロッテは土地提供を断ることができただろうか?

私が思うに、韓国は中国に対して最も友好的な国の1つだ。朴槿恵(パク・クネ)大統領は中国が2015年に行った軍事パレードに出席した。韓国の投資で経済が潤った中国の地方都市もあり、韓国・起亜自動車によって現在のような発展がもたらされた江蘇省塩城市はその一例だ。このグローバル化の時代、ロッテマートは中国に進出し、そこで中国人を従業員として雇う。販売するのは中国企業の商品だ。そして中国政府に税金を納める。なぜ、彼らはロッテをボイコットしたいのだろう?ロッテマートに対する罰金も営業差し止めもバッシングも最終的にダメージを受けるのは末端の従業員と言えるのではないか。レジ担当者も品出し担当者も清掃担当者も全員が抵抗する力など持たない一般市民だ。その多くが店から支払われる給料で日々の生活を送っている。

現在の経済情勢を見てみると、海外企業は対中投資を大幅に削減、中国から資本を引き上げる動きすらある。「海外企業は中国にとって重要ではない」なんて考えてはならない。そこで雇われているのは無数の中国人なのだから。投資した海外企業にひどい仕打ちをする国が再び投資を呼び込めると期待することができるだろうか。

中国人はこれまで日本、フランス、シンガポール、ベトナム、米国、ノルウェー、スウェーデン、台湾に反発の声を上げてきた。愛国者たちがボイコットを叫ばなかった国や地域は北朝鮮とロシアだけのよう。これは一体どういうことなのだろう―。何とも納得のいかない気分だ。

■筆者プロフィール:呂厳
4人家族の長男として文化大革命終了直前の中国江蘇省に生まれる。大学卒業まで日本と全く縁のない生活を過ごす。23歳の時に急な事情で来日し、日本の大学院を出たあと、そのまま日本企業に就職。メインはコンサルティング業だが、さまざまな業者の中国事業展開のコーディネートも行っている。1年のうち半分は中国に滞在するほど、日本と中国を行き来している。興味は映画鑑賞。好きな日本映画は小津安二郎監督の『晩春』、今村昌平監督の『楢山節考』など。
※掲載している内容はコラムニスト個人の見解であり、弊社の立場や意見を代表するものではありません。
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