波紋広げる台湾行政院長の「独立した主権国家」発言、中国メディア「反国家分裂法に基づき起訴されるべきだ」とも

Record China    2018年4月7日(土) 19時20分

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台湾の頼清徳行政院長(首相)が「台湾は独立した主権国家」と発言し、波紋を広げている。中国は中台関係の平和と安定を損なうなどと非難。一部メディアは「反国家分裂法に基づいて起訴されるべきだ」と主張している。写真は台湾総統府。

2018年4月6日、台湾の頼清徳行政院長(首相)が「台湾は独立した主権国家だ」と発言し、波紋を広げている。中国は中台関係の平和と安定を損なうもので「危険でおこがましい」などと非難。一部メディアは「中国の反国家分裂法に基づいて起訴されるべきだ」と主張している。

頼氏は内科医出身で、立法委員(国会議員)や台南市長などを経て、昨年9月、蔡英文政権の行政院長に就任した。与党「民進党」のホープで、「ポスト蔡」の一人と目されており、親日派としても知られている。

台湾メディアによると、頼氏は3月末、立法院(国会)で、自身が台湾独立派だと述べた上、台湾は主権を持つ独立国家との考えを示した。さらに両岸(中台)間の交流促進を望むとしながらも、中国大陸側が閉ざしている門を開ける唯一の鍵が「一つの中国」を前提とした「92年コンセンサス」だというなら台湾ではその鍵は見つけられない、と言及した。

頼氏は台南市長時代にも「台湾が独立主権国家であるという台湾の人々の主張を中国は尊重すべき」と明言。中国側は行政院長就任後も言動に警戒を強めていたが、持論を繰り返した形だ。

これに対し、中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)は「頼氏の発言は両岸関係に対する挑発であり、悪い報いを受けるだろう」と非難。ロイター通信によると、中国共産党中央委員会機関紙・人民日報系の環球時報は「頼氏は中国の反国家分裂法に基づいて起訴されるべきだ」と糾弾し、「頼氏の犯罪の証拠が確固たるものならば、国際逮捕状の発行が可能だ」としている。

中国側の反応に台湾で対中国大陸政策を主管する大陸委員会は「脅迫的で理不尽だ」と反論。「台湾は民主主義に基づく多元的社会だ」とし、「頼氏は台中関係の平和と安定を維持するという総統の政策に従っている」と擁護するなど、双方の応酬が続いている。

台湾の独立を許さないとする中国政府は、台湾を国のように扱う外国企業などへの圧力を強化。最近ではドイツのルフトハンザ航空などがウェブサイト上での表記を「台湾」から「中国・台湾」に改めている。

英国の権威ある文学賞「ブッカー賞」の候補作となった台湾の作家・呉明益氏の国籍表記をめぐっても、当初の「台湾」が、中国側の抗議でその後「中国・台湾」に変更。さらに今月4日に再び「台湾」に戻されるなど二転三転している。

こうした動きについても頼氏は立法院で「台湾は独立主権国家」と再三強調。「中国は事実と異なる変更を他の国や企業に強要している」と訴えている。(編集/日向)

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