トランプ米大統領「ディール」の本領発揮、中国・ZTEの制裁緩和は農産物関税撤回が交換条件?

Record China    2018年5月19日(土) 5時40分

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トランプ米大統領が米企業との取引を禁止された中国通信機器大手のZTEについて、制裁緩和を示唆した。米紙は「中国が米農産物に関税を課した報復措置の撤回が交換条件」と報道。これもトランプ流の「ディール」か。写真は米国の国会。

米国トランプ大統領が米企業との商取引を禁止された中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)について、制裁を緩和する可能性を示した。米有力紙は「中国が米農産物に関税を課した報復措置の撤回が交換条件」と報道。トランプ流の「ディール(取引)」が本領を発揮しつつあるようだ

中国に貿易戦争を仕掛けたトランプ政権は3月、中国を主な標的に鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置を打ち出した。これとは別にトランプ大統領は通商法301条に基づき、中国の知的財産権侵害への貿易制裁発動を命じる文書に署名した。最大で年間600億ドル(約6兆3000億円)相当の中国製品に25%の関税が課される。

そうした流れの中で、米商務省は4月、米企業がZTEに部品などを輸出することを禁じる制裁を発動した。ZTEは昨年3月、米国の経済制裁に違反する形で米企業の技術を使った製品をイランと北朝鮮に出荷していたとして、11億ドル(約1200億円)の罰金処分を受けた。しかし、経済制裁に違反する行為にかかわった社員の処分に関してZTEが虚偽の説明を米側にしたとの理由だった。

ロイター通信などによると、ZTEは自社製品に使用する全部品の少なくとも4分の1を米企業からの供給に頼る。ZTEが昨年、約200社の米企業から輸入した額は23億ドル(約2500億円)以上に上った。

トランプ米大統領は14日のツイッターへの投稿で、「ZTEは大部分の部品を米企業から購入している」と強調。ZTEに対する部品供給を禁じた米制裁措置の停止や緩和が「中国の習近平国家主席と協議しているより大きな通商取引」の一環だと述べた。ロス米商務長官もZTE対する制裁について「極めて速やかに代替策を探る」と語り、緩和を検討していることを示唆した。

こうした方針転換について、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「米国がZTEに対する制裁を緩和する一方で、中国は米国産農産品に課している報復関税の撤回や大豆の輸入規制を見直す方向で調整が進んでいる」と報じた。トランプ氏の投稿はZTEへの制裁緩和をちらつかせて、最大の懸案である対中貿易赤字削減で譲歩を迫る狙いもあるとみられる。

トランプ大統領は米国の貿易相手国に脅しをちらつかせ、交渉で譲歩を迫る手法を用いる傾向が目立つ。英誌エコノミストによると、「Make threats,strike deals,declare victory(脅かして、取引まとめて、勝ち名乗り)」とされる。

それを承知の上かどうか中国メディアによると、外交部の陸慷報道官はZTE問題をめぐる米側の発言を高く評価。「現在米側と具体的細部の実施について緊密なコミュニケーションを取っている。米側の注視する幾つかの具体的問題についても、中米双方は緊密なコミュニケーションを取っている」としている。(編集/日向)

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