中国がネット規制回避の未認可VPN禁止、影響と対策は

配信日時:2017年1月28日(土) 11時30分
中国がネット規制回避の未認可VPN禁止、影響と対策は
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中国国内からアクセスが禁止されているウェブサイトへ接続するための手段として日本人にも広く利用されているVPNサービス。規制強化でどのような影響が出るのか。また今後の対策は。中国のネット規制に詳しいブログ「小龍茶館」の運営者、奥野竜太郎氏に話を聞いた。
中国の情報通信分野の主管庁である工業情報化部(工信部)は今月22日に通知を出し、政府によって許可されていないインターネット通信(VPNを含む)を厳重に取り締まるキャンペーンを同日から18年3月31日まで実施すると発表した。

VPN(仮想プライベートネットワーク)は、中国のネット検閲システムを回避する、いわゆる「翻墻(壁越え)」を可能にし、ユーザーはグーグルやフェイスブック、ツイッターなど中国当局がアクセスを禁止しているサイトを閲覧できることから、中国在住日本人の間で利用している人も多い。

中国当局による規制強化の方針を受け、ソーシャルメディア上には不満や不安の声も書き込まれている。

今後どのような影響が想定され、利用者はどんな対策を取ればいいのか。中国のネット規制情報などを提供しているブログ「小龍茶館」の運営者である奥野竜太郎氏に話を聞いた。

――VPN規制強化について率直な感想をお聞かせください。

奥野(以下敬称略):「国内業者への取り締まりが強化されるのですね」くらいにしか感じませんでした。

――日本人利用者の間で、どのような反応が出ていますか。

奥野:一部の日本のソースしか読んでいないような人は「どうしよう」といって騒いだり、またお決まりの中国に対する不満を爆発させたりしている人もいました。一方、きちんとニュースを理解している人は原本の中国工信部のお達しをちゃんと読んで、理解をして、火消しに回っている人もいます。ニュースに踊らされないように、原文・原本を読んで判断する癖をつけたいものです。

――VPNサービスの最新事情について教えてください。

奥野:日本人向けに特化しているVPNサービスは知っている限り10本の指に数えられるほどしかないと思います。日本人向けの無料のものは恐らく筑波大学のものくらいと思いますが、すぐにIPが塞がれてしまうのでほとんど実用的ではありません。中国人向けのものは有料・無料共に大量にありますが、今回の業者への取り締まり強化、許可制の導入によって一気に減るのではないかと思います。ですが、だいたい日本人が使っていると思われるVPNサービスを提供している有名どころのほとんどは、最初から法人を日本やシンガポール、香港、その他の国に置いていますので、大きな影響はないのではないかと思います。

奥野:規制の影響は、現在のところ私や周囲の人の大部分は感じていません。上海にいる友人の1人から、今月に入ってVPN接続の速度が遅くなったり、VPNが切断されやすくなったりしているという報告は受けています。その他は同様の連絡はないですね。特につながりにくくなったりすることもないようです。

――今回の規制強化を受け、想定される影響と今後の対策は?

奥野:私のブログ記事にも書いているのですが、VPNの規制強化があった時のために代替手段をいくつか用意しておくことです。

・無料のVPN接続サービスはますます規制強化される可能性があるので避けるか、頻繁に切り替える
・複数のVPN接続サービスを用意しておく
・国外のVPN接続サービス業者を利用する
・上記の条件で、接続先やプロトコルが多い業者を選択する
・サービス提供者が提供するサービス業者固定型VPNルータなどの使用は避ける(サービス業者が飛んだら、ただのルータかつながらないルータになってしまう)

奥野:もちろん、VPNが全く使えなくなったり、実際に中国がGFW(Great Firewall、金盾とも呼ばれるネット検閲システム)でブロックしているサイトに今後永遠にアクセスできなくなる可能性がゼロではありません。そのために、クラウドストレージのデータやメールなどをそれらのブロックされているサイトに頼らなくてもいいようなところに移して業務に影響がないようにしておくこと(例えばAppleやMicrosoftなどは中国政府との関係が良好なので、すぐにブロックされることはないと思われます)、また自身が中国にいなくても済む方法を模索するなど、さまざまな備えをしておくに越したことはないと思います。

奥野:旅行や出張の場合は、日本の通信事業者の海外ローミングサービスや、香港のSIMのローミングでSIMフリースマホやモバイルWi-Fiルータに入れて使うのがいいかと思いますが、もし費用を抑えたい場合は当ブログのワンコインVPNサービスをご利用いただいてもいいかと思います。1カ月500円で1週間のお試しもできます。

奥野竜太郎
ブログ「小龍茶館」を運営。Appleの未発表製品などマニアックな情報を発信しつつ、iPhoneのSIMロック解除やネットTV代行などのサービスをブログで提供。人気iPhoneケース“Palmo”や世界最軽量ノートPCスタンド“フォルダブル”の共同開発者で、2015年度グッドデザイン賞受賞者でもある。

――――――

VPNがないと困るのは中国人も同様だ。商用VPNサービスを利用して「壁越え」している人も少なくない。中国のメディア関係者は「今秋には5年に1度の中国共産党党大会が開催される。2期目となる習近平体制の人事をめぐり、海外サイトでは憶測が飛び交っており、政府は警戒を強めているようだ」と話している。(編集/柳川)
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