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<コラム>日本の新年行事で、私の日本国旗への印象が変わった

配信日時:2017年1月11日(水) 9時10分
<コラム>日本の新年行事で、私の日本国旗への印象が変わった
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日本の新年には独特な景色がある。新年の日本人の3大国民的行事について述べていく。写真は今年の箱根駅伝。筆者撮影。
日本の新年には独特な景色がある。いつも賑わっていた場所がひっそりと静かで、たとえば家近くのスーパーマーケットなど、正月期間に通常2、3日は閉店しているため、商店街はとても静かである。一方で、日本の新年にはとてもにぎやかな場所もある。今回のコラムで、新年の日本人の3大国民的行事について述べていく。

▼新年、神様に挨拶する日本人
1月1日に神社参拝に行くのは、「初詣」という日本文化があるからである。元日の神社の中で、黒山の人だかり、人々が祈願やくじ引きなどをする。お寺も同じくにぎやかで、線香やろうそくが盛んである。日本人は無宗教と言われるのに、多くの人が一年の始まりは神様に挨拶し、気持ちをリセットするのだ。

2016年の新語・流行語大賞である「神ってる」は、プロ野球で2試合連続サヨナラホームランを放った広島カープの鈴木選手を緒方監督が「神ってる 」と形容して評し、超人的な技能に神様を宿しているような思いであるという意味なのだろう。やっぱり、日本人は、神様に畏敬の念を抱いている。神様はどこにでもいるように、地震の神様もいるし、トイレの神様もいる。新年は、私たちと神様との距離感が一番近い時期であるのかもしれない。

▼箱根駅伝選手の好青年たちに敬意を払いたい
この数年間、私は新年にハマっていることと言えば、箱根駅伝である。テレビで駅伝生中継を観て、思わず涙がでる。まさに、毎年の「初泣」は箱根駅伝のためにある。正月に、美しい箱根路を懸命に走る選手たちの姿を観て、すごく感銘を受けた。特に印象深いのは、多くの選手が、ゴールした後、身体が辛そうな状況にもかかわらず、観衆に向け頭を下げて一礼をする。箱根駅伝選手の日本の好青年たちに敬意を払いたい。彼らは人々に勇気を与えている。

私はいつも1月2日に、テレビで生中継の駅伝を観る。翌日の復路を現場で観戦する。今年の1月3日、私はゴール場所の大手町に行った。箱根駅伝の往路は東京大手町からの芦ノ湖までの108キロ、復路は芦ノ湖から東京大手町までの109.9キロである。2日間で100万人以上の観衆が沿道を埋め尽くすという。

ゴール前の場所が一番にぎわっていると思う。選手が風のように通り過ぎる際に観衆たちが大声で「頑張れ」と歓声をあげたりする。普段は見られない日本人の情熱が丸ごと見えてくる。各大学の応援団の演出も見どころ満載である。応援歌、応援ダンスが力強くて面白くて、ユーモアが溢れる。

ところで、箱根駅伝の勝者は最上位チームだけの様に感じ、2位以下のチームの選手たちが謙遜に反省する姿を見せている。今年の駅伝が終わった直後、あるチームが観衆に向け、反省会を行った。数人の選手が話している時、涙が止まらなかった。それはまさに美しき「敗者の涙」だと私は感じた。選手は「よく頑張った」と多くの観衆から声を掛けられた。選手と応援する観衆の一体感を味わうことも箱根駅伝の魅力の1つである。箱根駅伝のことを中国の友人に紹介すると、「今度の新年は日本に来たい、日本の新年文化を体験したい」と話していた。

▼新年の皇居で、私は日本の国旗についての印象が変わった
新年の3つ目の国民行事は、1月2日の「新年一般参賀」という皇室行事である。数年前に1度だけ、私は「新年一般参賀」を体験した。それをきっかけに、日本の国旗について、私の印象が変わった。

以前、中国で見た「抗日映画」の中の日本国旗はとても怖かった。その時の日本国旗は「戦争」「侵略」「日本鬼子」などキーワードと絡んでいた。来日後、日常生活の中で日本国旗を見ることはめったにない。祭日の際、近所の交番、また走るバスに掛けられている小さな国旗をたまに見かけるくらいだ。

日本で初めて多くの日本国旗を見たのはある年の1月2日だった。皇居の新年一般参賀で、朝早くに皇居の外で、大勢の参賀者が日の丸の小さな旗を持って、長い行列に並んでいた。その光景を見て、国旗と日本人の心がどのように繋がっているのかを考えさせられた。天皇など皇室成員が参賀者に向けて手を振る時、人々は喜んで躍り上がって、強く小さな国旗を振る。その瞬間から、私は「日の丸」に馴染みを覚えた。目の前の日本国旗はもう映画の中で見た日本国旗ではなくなってきた。

私の目から見ると、日本人は政治的な立場の「左」や「右」にかかわらず、皆が天皇を尊敬しているようである。ロンドン五輪で水泳の北島康介選手がかっこよく登場した際、ユニフォームの日の丸を手で力強く握るしぐさを見て、「日の丸を背負う」というスポーツ選手の感情を悟った。それ以降、私のアイデンティティーは複雑になったのかもしれない。

十数年間日本で暮らしているため、日本も中国も、私にとって同じく「自国」であると言える。神社参拝、箱根駅伝、一般参賀、新年の3大国民行事の共通点と言えば、人々にパワー、情熱、勇気を与えること。これは日本の独特な伝統文化だと言える。これからも日本各地域の新年の魅力を発見して行きたい。

■筆者プロフィール:黄 文葦
在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。
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