レコチャのランチグルメ<中華特集5の1>「中華」のイメージを一新する、やさしい味わい―御田町桃の木

Record China    2008年2月4日(月) 2時29分

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レコードチャイナでは、グルメ本「ミシュランガイド」東京版の発刊に便乗して東京の中華レストランのランチを特集。お高くみえる星付きレストランも、ランチならまあ許容範囲のお値段に。第1弾は、一ツ星の味をカジュアルに楽しめる「御田町 桃の木」。

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 2008年1月29日、レコードチャイナでは、グルメ本「ミシュランガイド」東京版の発刊に便乗して、星を獲得した東京のチャイニーズレストランのランチを特集。レポーターはそれぞれに中華な、あるいはグルメな経歴を持つ5人。お高くみえる星付きレストランも、ランチならまあ許容範囲のお値段に近づく。果たして各店の実態は…。第1弾は、一ツ星の味をカジュアルに楽しめる「御田町 桃の木」。

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 「体にやさしい中華料理」をコンセプトに、基本に忠実、それでいて新しい―そんな中華のスタイルを提供する「御田町 桃の木」。2005年10月のオープン以来、グルメの間でじわじわと評判を呼び、『ミシュランガイド東京2008』では名だたる有名・高級中華料理店をおさえ、一ツ星を獲得した。今回は、そんな隠れた名店の味をじっくりと堪能する。

■チェックポイント■

1、(予約受付)=2007年12月中旬、予約の電話を入れると、厨房で威勢よく働いている姿を想像できるような、元気な若い男性の声で応対があった。意外にも予約はいつでもOKということで、すんなり予約を取ることができた。ランチメニューの価格帯について案内のあった後、「お嫌いな食材がありましたら事前にどうぞ」と尋ねてくれたのがうれしい。

2、(お店の雰囲気)=堅苦しくも雑多でもない、「カジュアル」な雰囲気の店

 お店は、JR田町駅と地下鉄白金高輪駅のちょうど中間付近に位置し、やや古びたマンションの1階にある。こぢんまりとした店構えだが、年の瀬のこの日、入口にはさっそく「予約で満席」の文字。一ツ星獲得店の人気ぶりがうかがえる。店内は白を基調としたシンプルな内装で、カウンター10席、テーブル20席と座席数は少なめだが、明るく開放的な雰囲気だ。印象的なのは、店内のどこからでも見ることができるオープンキッチンとカウンター。

 まるで小料理屋のような造りだが、キッチンから立ち上る炎と香ばしい匂いに、ここが中華料理店だということを実感させられる。とはいえ、いわゆる「中華料理店」といった雑然とした感じはなく、またいかにもミシュランの星付きレストランという堅苦しさもない。カジュアルに「一ツ星」の味を楽しみたいなら、まず訪れたい店だろう。

3、(ランチの構成と味)=コースは2種類、素材を生かしたシンプルな味わい

 席に落ち着くと、すぐに中国茶とお茶菓子「松の実の飴がけ」が出された。このちょっとした心遣いがうれしい。ランチは、本日の日替わりランチコース2500円、4000円のほか、単品も用意。思わず「ミシュラン?」と確認したくなるほどリーズナブルだ。

 満席だったせいか、料理名を告げるだけで詳しい説明がないなど、サービスは他の高級星付きレストランと比べると満点とは言い難いが、この手ごろさであれば不満もなくなる。

 ちなみにコースは、予約時に嫌いな食材やアレルギーなどを伝えておけば対応してくれる。今回は、2500円のコースをいただいた。

【本日の日替わりランチコース2500円】

・前菜(おすすめ前菜2品)…花ニラのウスターソース

                   砂肝のマーラーソース

・点心または小菜…上海小龍包

・メイン(本日の料理)2品…油林薩摩鶏(地鶏のサクサク揚げユーリンソース)

                  千焼伊麺(広東焼きそば)

・デザード…マンゴープリン

 「素材の味をシンプルに味わってほしい」というだけあって、全体的にこれまでの中華料理のイメージを覆すやさしい味わい。日本産の花ニラや地鶏といったように、素材そのものにもこだわりを持つ。そのため、料理の内容はその日の仕入れによって若干変更もあるという。

 前菜の花ニラは、ウスターソースを軽くからめて味わうシンプルな一品。新鮮で臭みがなく、かむほどに素材の甘みを味わえる。コースの中でとくに印象に残ったのは、メインの2品。地鶏のサクサク揚げは、ネギ・ショウガ・パセリなどの薬味を甘酢で仕込んだ醤油ベースのタレをからませていただくが、タレが主張しすぎず鶏肉の味わいを上手にひきたてていて美味しい。唐揚げよりも衣がさっくりしているように感じるが、特別な材料・調理法は用いていないようだ。広東焼きそばは、麺と黄ニラだけという見た目にもシンプルなメニュー。しかし、口にすると隠し味のエビの風味が香ばしく広がり、不思議とクセになる味わいだ。

 一方、残念だったのが小龍包。あのジューシーな肉汁を期待してかじりつくと、あっさりした味わいに物足りなさを感じる。他店の小籠包と比較すると、皮はやや厚めでスープも少なめのようだ。最後に出されたデザートは、可も不可もないといったところ。

 全体の量は、女性には十分なボリュームとなっている。ただし、全体的にあっさりとした味付けのため、男性は品数の多い4500円のコースの方が満足感を得られるかも。

4、(総評)中華の基本を守って、新しいテイストを提案

 創作的なことはあえてせず、メニューはどれも中華の基本をおさえてシンプルに仕上げられている。だからこそ、素材の味がしっかりと生きてくるのだろう。味付けが主張する中華にあって、その王道をはずれることなく、素材や季節感など新しい味わいを提案してくれる。「中華はこってりしていてちょっと…」という人には、やさしい味わいがきっとマッチするはず。グルメな女性にはとくにおすすめだ。いわゆる「中華」を期待していくと物足りなさを感じるが、そこはさすがに「一ツ星」獲得の店、新たな中華の一面を見せてくれた。

 料理のスタイルのように、お店の雰囲気も気取らず居心地がよい。夜はコースが7000円〜と高級感もボリュームもぐっとアップするので、シェフこだわりのワインとともに、また違った味わいを楽しんでみたい。

■レポーター・プロフィール:睦月

B級グルメ大好きの元・雑誌編集者。好きな食べ物は豆腐、中華料理なら刀削麺と坦々麺。「本当にウマイ料理は雑誌に載ってない!」を信条に、日々新しい店を探して放浪中。

【お店メモ】

御田町 桃の木

〒108-0073 東京都港区三田2-17-29 オーロラ三田105

03-5443-1309

■アクセス

JR田町駅 北口 徒歩10分

都営三田線・南北線 白金高輪駅 2番出口 徒歩8分

■営業時間

ランチ:11:30〜14:30 (L.O. 14:00)

*火・木金土日祝

ディナー:17:30〜22:30 (L.O. 21:30)

■定休日

水曜日

■予算(コース)

ランチコース 2500円、4000円

ディナーコース 7000円、8500円、1万円、1万5000円

■料理ジャンル

上海、北京、四川、広東、台湾など中華全般

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