「いくらやっても相手は見えないのに…」=中国人なら絶対にしないことを日本人は本当にしていた―中国人学生

日本僑報社    2016年7月25日(月) 12時0分

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自国と異なる習慣や風習について理解を深めることは異文化交流の醍醐味だ。遼寧対外経貿学院の夏葉城さんは、ドラマでしか見たことがなかった日本人のある動作を実際に見て、衝撃を受けたようだ。資料写真。

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自国と異なる習慣や風習について理解を深めることは異文化交流の醍醐味だ。遼寧対外経貿学院の夏葉城さんは、ドラマでしか見たことがなかった日本人のある動作を実際に見て、衝撃を受けたようだ。以下は、夏さんの作文。

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「はい、はい、はい、分かりました。大変申し訳ありませんでした」。電話をかけている時、見えない相手に向かってぺこぺこと頭を下げながら、ずっと話をしている日本人。私は、日本のドラマと映画でこの映像を最初に見た時、この印象的な姿を忘れることができませんでした。そしてある日、私は日本語学部の研究室に入って、日本人の先生が電話している姿を見た瞬間、このテレビの画面を思い出したのです。

「あっ!テレビとまったく同じだ」

そうです。先生はドラマの画面と同じように携帯電話を持って、頭を下げながら話しているではありませんか。私は中国の現実の社会でも、映像の中でも、このような場面を見たことがなかったので、電話をかけているこの日本人の姿を不思議に思ったのです。

日本人はどうして電話をかける時、ずっと頭を下げるのでしょうか。しかも自分に非がない時でさえも。いくら頭を下げても、相手は見えないでしょう。見えない相手に対して、これは必要なことなのでしょうか。私は真剣にその理由を探してみました。そして、日本語と日本人の礼儀文化という2つのことに突き当たり、これは面白い発見ではないかと思いました。

まず、日本語の点からです。日本人は「はい」という言葉をよく使います。私はこの「はい」という言葉を発音する時、「は」という音をはっきり言おうとすると自然に力が入ってしまうのです。こうして「はい」と言うと、きれいな発音ができます。そして「はい、はい」と言う自分の姿を鏡に映してみると、中国人の私でも自然に頭が上下に動いて、日本人のように頭を下げていることに気付いたのです。日本人の皆さんはどうなのでしょうか。

2つ目として、日本の礼儀文化の点から考えてみました。日本の礼儀に大きな影響を与えた中国の儒教精神は、日本の学校教育及び家庭教育に受け継がれています。例えば、ご飯を食べる前に両手を合わせて「いただきます」と言い、知人に会った時も、必ずお辞儀をしながらあいさつします。軽い会釈から深々と頭を下げるお辞儀まで、その場その場に応じた頭の下げ方をする日本人は、中国から伝わった礼儀を独自の習慣に変化させながら、それを大切に受け継いできたことは中国人の私が見ても分かります。

私は「礼儀正しい人」を自負してきたつもりでしたが、日本語を学んでみると中国人としての私は、まだ日本式のあいさつを完璧に理解できないことがあり、日本人に比べてみれば差があることに気が付きました。しかし、個人的な付き合いでも、サービスを提供する時も、礼儀はとても重要です。礼儀文化の魅力を充分に感じることができるのは、日本人と中国人の間には礼儀に対して共通の認識があるからかもしれません。

近代国家に生まれ変わった中国は、経済成長とインフラなどハード部分においては、先進国と肩を並べるまでになりました。しかし、これからはソフトの面においても強化する必要があります。最先端技術のみ採り入れようとするのではなく、日本で改良された中国の古き良き文化を採り入れたら、中国はさらに発展するに違いありません。この発展に力を尽くすために、礼儀を大切にする人が1人でも増えたら、「電話を持って頭を下げる」ことの意味を理解する人も増えることでしょう。(編集/北田

※本文は、第十一回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「なんでそうなるの?中国の若者は日本のココが理解できない」(段躍中編、日本僑報社、2015年)より、夏葉城さん(遼寧対外経貿学院)の作品「私にもできた!」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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