ここまで進んだ中国の民主化?!「市民の声」、巨大プロジェクト計画を変更させる―福建省

Record China    2007年12月21日(金) 10時57分

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市民の声によって巨大プロジェクトが計画変更に追い込まれたという。中国の民主化もここまで進んだ?それとも理由は他に?写真は浙江省寧波市にある鎮海煉化公司(会社)のパラキシレン(PX)装置。

2007年12月20日、福建省政府と厦門市政府は、厦門市海滄区に建設中の工業原料・パラキシレン(Paraxylene、略称PX)の生産工場を、同省●州(ジャンジョウ=●はさんずいに「章」)市古雷半島へ移転することを決定した。厦門市政府が先週開催した座談会で、85%以上の参加者がPX工場の建設継続に反対をした「市民の声」が大きく影響しているという。「南方網」が伝えた。

投資総額108億元(約1728億円)に上るこのPX生産工場建設プロジェクトは、2006年11月に厦門市海滄区ですでに着工されており、本来の計画によると2008年完成、生産開始の予定だった。

しかし、今年3月に行われた全国人民代表大会と人民政治協商会議で、多くの全国政協委員がPX工場の移転を提案、マスコミと市民から大きな注目を集め、問題化した。

今年6月、厦門市の市民5000人以上が「散歩式デモ」などを行った結果、市政府はPX工場建設のスピードを緩めることと、環境への影響評価調査の実施を約束。厦門市政府は12月5日、環境への影響評価調査の結果について「海滄区はPX工場建設には適さない」と発表した。

また、厦門市政府は最近、同問題に対するアンケートをネット上に開設。建設継続反対の意見が圧倒的で、わずか1日で閉鎖に追い込まれた。さらに13日、厦門市政府が開催し、99人の市民の代表が参加して行われた座談会では、85%以上の参加者が建設継続に反対を表明したという。

これらの結果を受けて、16日、福建省の共産党常務委員全員が参加して行われた同問題の専門会議で、ジャン州市古雷半島へ移転させることが決議され、PX工場の移転について結論が出された。

これに関し、省委書記は「このプロジェクトに対し多くの市民が反対している。市民の感情を重視し、こうした問題に対しては市民の観点に立って対応すべきだ」と移転決定の理由を語ったという。(翻訳・編集/HA)

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